これがクノッソス露天風呂の建築秘話だ。
 

 1999年10月の半ばに造園屋さんが着手、
基礎工事と岩の風呂部分の完成が11月半
ばと、約1ヶ月弱かかりました。はじめの予
定では11月にも入浴可能がまだ基礎工事
の段階と、ちょっとのんびりスタートです。
でも、裏の石垣を築いてくれたし、いつも
お世話になっている近所の造園屋さんに
来てもらってよかった。
 ちなみに、石垣といえばここ東伊豆の石は
「築城石」といって、江戸城築城の際に太田
道灌が切り出させたという、由緒ある?石な
のです。熱川には道灌ゆかりのものが様々
あります。
 いよいよ柱を立てていく事になりました。
材料は、天城から切り出した檜と杉をを贅
沢に使いました。と言っても意外と安いんで
すよ。やはりホンモノはいいですね―。
 やっとここまで立ち上がりました。これから
が大変だ。
 屋根を張りつけていく仕事はオーナーであ
る私の仕事。なかなか様になっていますよ
ね。実は何度も金槌を下に落とし、危うく父
の頭に…というシーンが…。
 普通なら専門の職人に頼むところですが、
なるべく安く上げるために、また、自分自身
も作っているという余韻に身を任せたいた
め?、気合を入れました。かえるの子はか
えるといきたいところですが…。
 すっかり作業場になってしまった駐車場
で、そろそろ檜風呂の準備です。檜の三寸
角を使った正真正銘の檜風呂です。日本の
古代の建築様式である「校倉造」の技法をと
り入れました。と言ったらちょっとオーバーか
な。
 余談ですが、私ども須佐家は、祖先をスサ
ノオノミコトに持つ家系で、スサノオが植林を
学びに朝鮮半島まで海を渡ったとき、木の
舟にいたく感動され、のちに植林した木を使
い、舟やお宮を造ったという伝説がありま
す。どこまでほんとかわかりませんが、私の
曾じいさんまで須佐は宮大工でした。
 余談ついでに、私の父はかつて工務店を
営んでおりましたが、不景気の波に乗れず
解散。その後はフリーとして働いておりま
す。仕事に対する厳しさは人一倍で、この露
天風呂を建設中も私と何度かぶつかりまし
た。私を含む息子達は後を継がず、また、親
類でも継いでいる者がいないため、スサノオ
から続く大工の家系はここで幕を下ろしそう
です。私としては非常に残念です。
 総工費ウン百万、着工から2ヶ月でようや
く完成した露天風呂です。どうにか年末には
間に合いました。画像は岩風呂への入り口
で、中庭もきれいにしました。

   皆さん是非遊びに来てください。

 

 


 

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