ここでは、今まで『スパーズ通信』に載せていた“くまコーチ”のコラムをまとめて紹介します。大した内容ではありませんが、楽しみにしてくださった方もいます。読んでくださいまし。。。( ´△`)

 

コーチのひとり言 φ( ´△` )年初にあたって(2005/01/19)

  子どもに読んであげてください。 

 郷土の英雄に徳川家康がいます。彼は三河の有力豪族、松平氏に生まれ、幼少期から青年期にかけては尾張の織田氏や駿河の今川氏の人質として不遇な人生を送ります。ところが1560年、桶狭間の戦いで人生の転機を迎えました。

 戦(いくさ)に負けた今川氏に代わって、浜松城の城主となった家康は、織田氏に協力して東海地方一帯の安定を図ります。ところが1572年、上洛する武田信玄軍二万数千が、領地を横切ったのに激怒し無謀にも武田軍を追いかけます。世に言う三方ヶ原の合戦の始まりです。織田の軍勢三千が加勢したものの、徳川軍一万余り、天下をとどろかせた武田の騎馬隊にはまったく歯が立たず、大敗を喫したのでした。そのとき命からがら浜松城に戻った家康は、恐怖のあまり馬上で糞をもらしたと伝えられています。家康31歳のときでした。

 彼は家来に笑いものにされ館に引きこもりましたが、自分の身代わりに有能な部下が何人も死んでいったことに心を打たれ、その戦(いくさ)のことを生涯忘れないようにとすぐに自画像を描かせました。それが有名な『三方ヶ原戦役画像』(徳川美術館貯蔵)です。その後、おごる心の戒めとして生涯座右を離さなかったと伝えられています。そして家康の敗戦はその一戦だけでした。

 このことは、負けたときほど学ぶことが多いことを教えてくれます。恥をかいて笑うのも笑われるのも今のうちです。郷土の大先輩に学びたいものですね。

 

コーチのひとり言 φ( ´△` )(2005/05/25)

  毎年恒例の町民運動会が今年も開かれました。お天気が心配でしたが“荒れ模様の晴れ”となったのも奈良本優勝の前触れだったかもしれません。私は今年初めて参加させてもらいました。長縄の回し役という大役を仰せつかりましたが、みごと新記録?で勝たせてもらいました。

 さてその以前、プログラムをぼんやり見ていますと、5人一組の対抗リレーというのがありました。 聞けば自由参加の競技とのこと。さっそくホットスパーズの練習時に生徒たちに呼びかけました。するともう組んでいる子がいたり、あまり乗り気でない子がいたりでぱっとしませんでした。私は別にこだわってもいませんでしたのでほっておきました。しかし前日になって5年の女子が出たいと言い出しました。 せっかくの機会なので、私は当日ホットスパーズのTシャツ持参で参加するように言いました。

 レースは5年生グループに出場し、熱小男子と大川小の女子、そしてホットスパーズ女子の3チームでした。結果は惨敗のビリでした。

 次の練習のとき少しフォローしようかなと「この間のリレー…」と言ったところである子が「もうそのことには触れないで〜〜!」と言い出します。男子で出場した子が「おれっち勝ったぜ」と言うと女子は下を向いてしまいました。

 私はそのとき「三位おめでとう」と言いました。全員きょとんとしている中、私は続けました。「三組しか走っていないからといって三番目に入れば立派な三位だ。オリンピックだって世界選手権だってほかの人たちが棄権すれば失格となる。負けたのは走りたかったけど走らなかった子たちだよ」と。ちょっとかっこよすぎるかもしれませんが、“参加することに意義がある”というのはこの辺にあるんじゃないかと思います。私はこうも言いました。「恥をかくことを恐れていては何もできない」と。

 いま羞恥心の少ない小学校のときに恥をかかないでいつかくのですか。とかくこの世は恥の先に杖をつこうとします。 恥が人間を大きくすること、失敗が成功を生むこと。中学・高校、いや大人になって恥をかききることができない青年たちが、己をさらけ出すことができずに引きこもっています。

 

コーチのひとり言 φ( ´△` )(2005/07/13)

 6月は球技大会の季節です。町民大会が終わってほっとする間もなく役員は忙しい日々を送っています。今年は日程が月末になったため、充実した練習を行うことができました。日程が遅くなった理由の一つにミニバスの大会があります。稲取のブルーエイトがこの大会に参加しました。

 6月19日の日曜日、この日はシャンソンカップというシャンソン化粧品が冠スポンサーになっている大会の東部地区決勝トーナメントが開催されました。ご存知のようにシャンソン化粧品は実業団日本一のチームです。残念ながら稲取・河津とも12日の予選リーグで敗退、レベルの高い大会であることを改めて感じさせました。

私はその日の昼ぐらいから大会を観戦しました。決勝に残った8チームはどれも粒ぞろいで、特に沼津のチームは伝統もあり、よく整備されていました。優勝したチームは女子ながら頭を丸めているのに驚かされました。(男か女か区別がつきません)

 私はふと感じたのですが、この子たちにとってピークはいつなんだろう。勉強でもそうなんですが、一つのことをやり遂げるときにピークがあります。大きなピークを過ぎで次々くるピークを超えられると私はそれは進歩や成長だと思います。しかしそれは大変です。いくつもあるピークを超えられるとき、その選手は大きな大会をクリアし、オリンピックに行ったりプロになったりはたまた学者になったりします。しかし、それはほんの一握りです。凡人(普通の人)は激しいピークを超えられないか。超えられてもそこで次のピークに向かおうとするのを諦めます。ピークをいつもってくるかで人生が大きく変わる可能性もありますね。

 小学生でここまで極めることに、私は大きな拍手を送りたい気持ちでいっぱいですが、次々くる大きなピークにこの子たちは克つことができるのか。肉体的にも精神的にもそれを感じます。自分ががんばりたい。克ちたいと思うことに勝るものはありません。もしかしたら、このような大会で将来の自分を見据えることができるのかもしれませんね。

  

コーチのひとり言 φ( ´△` )(2006/04/26)

  ご父母の皆様、熱川ホットスパーズ3年目の活動がスタートします。どうぞよろしくお願いします。3年というと短い感じもしますが、ドリブル・パス・シュート、この3年でずいぶん上達したような気がします。5対5のゲームでは形もしっかりしてきています。今年は6年生を中心にチームワークも良さそうです。

 先日お昼を食べながら「スタジオパークからこんにちは」を見ていますと、ミュージカル俳優の井上芳雄さんがゲストで出演していました。もちろん私は初めて知りましたが、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。井上さんは10歳のときに初めてミュージカルに出会って、将来ミュージカル俳優になることを誓ったそうです。小学校の卒業式のとき「大きくなったらミュージカル俳優になりたいです」と言いきった横で「クスクスクス」という父母の笑い声がビデオで今も残っています。ほかの子供は勉強がんばるとか、部活がんばるとか言っていたから無理もありませんが…。

 子供の夢というのは万国共通の合言葉のようなものですが、夢は大きければ大きいほどいいと私は思います。同じ年頃の子を持って恐縮ですが、その夢を否定する権利は誰にもありません。中学生になって夢は目標に変わっていきます。目標の到達点が高ければ高いほど子供はすばらしいパフォーマンスを見せてくれるものです。信じて、そして尽くしてあげたいと思う今日このごろです。

 全国珠算教育連盟が小学4〜6年生に「将来なりたいもの」を聞いたところ、以下の結果を得ました。

 

 

将来なりたいもの

なるにはどうするか?

1位

スポーツで活躍する

勉強する

2位

お金に恵まれた生活

体力をつける

3位

社会に役に立つ

スポーツをする・うまくなる

4位

手に職をつける

大学へ行く

5位

パソコンを使いこなす    

本を読む

 

 ちなみに私の子供のころの夢は“阪神タイガースに入って掛布選手のサインをもらうこと”でした。皆さんはいかがでしょうか。 

 今年はサッカーのワールドカップで盛りあがっていますが、実はバスケットボールの世界選手権が日本で行われます。日本での開催は一生に一度あるかないかです。浜松アリーナでも試合がありますので、これを機会に世界最高のプレーを味わってみたらいかがでしょうか。(8/19〜) スパーズでも行く予定です。強制ではありませんので参加したい方は早めにご相談ください。

 

コーチのひとり言 φ( ´△` )(2006/07/05)

 最近、「やめたい…」という子が出てくるようになりました。毎年そうですが、6年生がまずつまずきます。今年は男子がそうで、つまらない。勉強が大変。が大きな理由です。その度になだめすかしたりしますが、一度決めると大たい気持ちは変わりません。この5月というのは子供も「5月病」の症状に掛かります。なんとなくクラスにも馴染んで先生とも子供同志も軽い緊張感から解き放たれます。そんな時エアポケットの状態になるのでしょう。

 いつも言っていることですが、私はこの活動で、“最後まで続ける!”という気持ちを養ってもらいたいと考えています。各自いろんなことがある中で、自分の中にバスケットボールの部分を忘れないでいることが大切です。疲れている子もいるでしょう。「友達が一緒じゃないと行かない」という子もいるでしょう。しかし、チームにはそんなこと忘れさせるくらいの力があります。「継続は力なり」という言葉を信じてお子さんを励ましてあげてください。(「お金払ったんだからね!行きな!」と言いたくなる時もあるでしょうが、やめてください。)また、行きたくない理由がある子もいます。そんな時はどうぞ遠慮なさらずご相談ください。

 話しはまったく変わりますが、子どもが大きくなると決まって自分の部屋が欲しくなります。みなさんのお宅でも例外なくそうだと思います。私立の超有名中学に合格した子供がどんな子ども部屋だったかを調べた人がいまして、一冊の本になりました。それによりますと、子ども部屋は何をするところか?の問いに、85%の父母が「勉強する部屋」と答えたそうです。ところが、実際に勉強していたのはほとんどが茶の間やリビングだったそうです。その理由はというと、「さみしいから…」が主でした。 

 現代の洋風建築では、部屋が独立してプライバシー重視になっているのが意外とよくないのかもしれません。ちなみに、どこを子ども部屋にするか?の問いには75%が「南向きの日当たりのよい部屋」と答えたそうです。

  宿題のプリントにショウユのあとがついているのは、意外にいいかも!?

 

( ´△`)コーチのひとり言...(2006/11/22) 

いま教育の現場では“いじめ”の問題がクローズアップされています。いじめはいつの時代でも多かれ少なかれあるものだ。とも言われます。一概には言えませんが、物質的な「貧しさ」から脱した今の日本にあるいじめの問題は、精神的な「貧しさ」を根底にしているような気がしています。ちょっと自分でも何書いてるのかわからなくなってきましたが、昔は裕福な子が貧しい子をからかったり、逆に貧しい子が裕福な子からお金を巻き上げたりといったいじめが多かったんだと思います。いまは、変な話し貧富の差なんてありませんし、そんなことでいじめっていうのは少ないんではと思います。ではなぜいじめは起きるのか、それは、心にすき間のある子たちが満たされている子を見ていじめているのかな、と感じます。誰だって心にすき間風は吹くものです。それに絶えられなくなったとき人に当たってしまうのかもしれません。でも、よくよく考えてみれば昔だってすき間風は吹いていましたね。

どこですき間をうめてあげるかはその子によって違うでしょう。ただ、私は家庭が一番だと考えています。やさしさ、厳しさ、時には「怒り」も愛情になり得ます。人の痛みのわかる子に育って欲しい思いです。 

 

コーチのひとり言 φ( ´△` )(2007/04/25) 

 さて、今年はポスティングシステムという入札制度により、本場アメリカの野球に松坂投手や井川投手が参戦しました。日本で活躍した選手たちがアメリカで活躍するなんて、なんだか誇らしい気持ちになりますね。4月12日にさっそくイチロー選手と松坂投手の対戦がありました。この対決は、日本もさることながら全米でも注目されたようですね。ご覧になった方も多いんじゃないでしょうか。

 イチローへの第一球、何を投げるのか、私もワクワクして見てました。フェンウェイパークの観客は総立ち、多いに盛り上がります。そのとき解説の長谷川さんがおっしゃっていたのですが、だいたいああいう場合はリスペクトするんだそうです。えっ、リスペクトって?中学生だったらわかると思います。「尊敬」とか「敬意」といった意味ですよね。つまり、松坂ほどの前評判の投手の場合、第一球目は見送って観客に“手付かずの初球”を見せるのだそうです。バットを振って当ててしまうのはヤボってことですね。これが発祥の地、アメリカの礼儀なのです。

 ところが皆が予想した第一球目。もちろんストレート、直球でズドン!と思いきやカーブでカウントを取りにきました。誰よりも松坂投手との対決を楽しみにしていたイチロー選手は、試合後のインタビューで、「あれには興ざめました」と語ったように、なんとなくがっかりさせられました。松坂投手にはまだまだ余裕のようなものはなかったのかもしれません。

 バスケットボールでもそうです。小学生や中学生では“リスペクト”にはほど遠いいですが、“いま”を積み重ねることによってきっとリスペクトされる選手になるでしょう。まずはチームメイトから信頼されねばなりません。一つのパス、一つのシュート、そして練習態度によってその信頼が左右されます。 

※私事ですが、須佐が一部分執筆・編集にたずさわった「2ページでわかる『日本の古典』傑作選」という本が世界文化社というところから出ました。図書館に置いてありますので是非ご覧ください。古典ぎらいでもちょっと読みたいな。という人にオススメです。

 

コーチのひとり言 φ( ´△` )(2007/06/27)

  ちょっと前の話しですが、町民運動会がありました。今年も“スパーズ”のTシャツを着て4年生5人がトラックを走りぬけてくれました。非常にうれしい気持ちでいっぱいです。以前も書きましたが、順位など気にせずどんどん走って自分を表現してもらいたいです。なかには「はずかしい…」と思う子がいるかもしれませんが、どんどん恥をかきましょう。恥をかいて拍手されるのは今のうちです。大人になったらそうおいそれと恥はかけません。今のうちにいい緊張感を味わって、チャレンジする気持ちを高めてもらいたいと思います。

 今年、それにもましてうれしかったのは、小6の子が“全力少女”の四字熟語?を胸に走っていた姿です。これぐらいの年になると、いろいろと面白い名前をつけたりするものですが、「全力」という言葉はなんだかスパーズの子らしいなと思いました。足のはやい子おそい子、力の強い子弱い子、みんな個人差を持ち合わせて戦ってます。その中で全力を出しきるということは美しい姿だと思いませんか。

 バスケットボールというスポーツでも同じことが言えると思います。5人のプレーヤーはそれぞれ役割が違います。例えばガードはすばっしっこくてドリブルが上手、フォワードは体が強く当たり負けしない。センターは一番のビッグマンですからゴール下の競り合いが得意。それぞれの個性がチームを作り上げるところがバスケットボールの魅力です。ちなみに私はドッヂボールが大嫌いです。あんなものをスポーツといっているのが悲しい。ドッヂボールはいじめ、暴力そのものです。話がそれましたが、「全力」というのは何もゲームに出ているメンバーだけに限ったことではありません。試合に出られなくてもベンチで応援するメンバー、父母のみなさん、顧問、コーチなどすべての力を結集しているからこそ全力なのです。

 来たるべき県大会予選に、いかに全力で迎えることができるか、勝利の鍵はそこにあるような気がしています。

 ※私事ですが、須佐が執筆・編集にたずさわった「ビジネスの巨人シリーズ『本田宗一郎』夢を力にするプロの教え」という本がアスペクト社から、『知っておきたい天使・聖獣と悪魔・魔獣』が西東社から出ました。本田宗一郎は郷土の英雄、「ホンダ」の創業者として誰でも知っていると思います。スーパーカブ誕生秘話、夢を掴んでいく第3章は私が書きました。おもしろいですよ。「知っておきたい…」は、天使と魔獣のパートを担当しました。誰がこんなの読むんだろ、と思いながら結構のめり込んで書きました。いずれも図書館に献本しました。どうぞご覧ください。

  

コーチのひとり言 φ( ´△` )(2007/07/18)

  中学では県大会出場を惜しくも逃しましたが、一夜明けた今日、私もなんだか脱力感でいっぱいです。その大会中、他校で骨折を含むケガによる退場者が数名でたもようです。私は骨折の子が運ばれて行くとき、ちょうどその場に居合わせましたが、とても痛そうで気の毒でした。このような怪我人があとを絶たないことから、閉会式のときに体力づくりの重要性を全校へ向けアピールしていました。

 私が思うには中学生のバスケットボールは基本のみでいいと思っています。「基本基本と言いますが、基本って?」と思われる方もいらっしゃるかと思います。私はそれはフットワークだと考えています。もちろんフットワークをやらなくてもバスケットボールはできます。しかし、バスケットをするための基礎体力を考えると、やるとやらないでは格段の違いがあります。怪我もほとんどなくなります。

 子供たちはすぐボールに触れたがります。「フットワークはいやだ」と心の中で思っています。私もかつてフットワークがいやでしたが、声を出し合うことで辛さから逃れていったことを覚えています。

 しっかり止まってボールを受ける。そして、バス・ドリブル・シュートを確実に決められる。このことは一番の基本ですが、その礎にフットワークがあることを忘れてはいけません。

 3年生は引退になりますが、週に一回ぐらいバスケをやっても勉強に差し障らないでしょう。かえって気分転換にいいかもしれません。それでもフットワークは“免除”しませんのであしからず…。

 

コーチのひとり言 φ( ´△` )(2008/01/30)

  いま時ならぬ“ハンドボールブーム”がスポーツ界をにぎわしています。サッカー王国の静岡県ではあまりなじみのないスポーツかもしれませんが、徐々にですが競技人口が増えているようです。何を隠そう私は中学時代ハンドボール部でした。そのころは本当に熱中してやっていました。

 小学校のころは野球に柔道、サッカーをやっていましたがいずれも中学では続けず、何となく受けねらいもあって陸上部に入りました。そこで砲丸を投げていましたが、2年生になったきハンドボールの大変強い中学からある先生が転勤してきました(いま考えると飛ばされてきたのかも…)。その先生がハンド部を立ち上げて部員を集めました。とはいっても、おもだった生徒はいずれかの部に所属していましたから、集まったのは不良と入っていた部をドロップアウトした半端もんでした。わたしもその半端もんの一人でしたが、先生の熱心さと面白さ、失敗すると「うち帰ってクソして寝ろ」というワンパターンの指導になぜかついて行きました。その先生が言っていたのに「バスケットボールは紳士のスポーツだ。ハンドボールは男のスポーツだ」という言葉がありました。それはいまでもはっきり覚えています。

 リサーチ不足で、ハンドボール部がない高校に行ってしまった私はバスケ部に入りました。ハンドボールは3歩まで歩けるのではじめはよくトラベリングをしていましたっけ。それでも「大学に行ったら絶対ハンドボールを続ける」という夢をいつもどこかで持っていました。  次号に続く…。

 

コーチのひとり言 φ( ´△` )/前号の続き…(2008/02/27)

  高校時代の私は、それなりに部活に打ちこんでがんばってました。そのころの部員は中学の都大会でベスト4とかベスト8とかの強豪の出身者がいて、私はチームメイトや先輩から技術の多くを学びました。2年生になってレギュラーになれるかなと思ってたら、後輩たちにまたすごいのが入ってきてたちどころに吹き飛ばされました。私は半分くさりながらもとうとう引退までバスケを続けました。

 いつしか私は中高一貫の女子校で社会科の教師になっていました。そこで、バスケ部のコーチを頼まれてやってました。いまは優しいですが、当時は若かったから情熱がむき出しになっていて、生徒たちとぶつかりながら練習をしていました。そのため、折り合いが悪くなって、いつの間にか私は女嫌いになっていました。そんなころ埼玉県の新座市にある高校から声がかかり、私は異動しました。その高校は私立の共学校で、勉強のレベルはさほどではなかったのですが、運動部は折り紙つきでした。わたしはすぐ男子バスケ部を見に行きました。100人はいたでしょう。ドリブルシュートの順番が回るまで5分ぐらいかかってました。いつしか大会にも顔を出し、生徒たちとコミュニケーションも取っていましたが、どうも顧問の先生と考え方が合わず気持ちが離れていきました。そんなときです。私に運命の出会いが待っていました。      次号に続く…。

  

テキスト ボックス: 何年か前、大学教授の本川達雄さんという方が『ゾウの時間ネズミの時間』という本を書きました。どういう本かというと、ゾウにはゾウの時間、ネズミにはネズミの時間があるというものです。これだけではよく分かりませんね。簡単に言うと動きのゆっくりした大きなゾウ、体は小さいけど動きの速さと運動量の豊富なネズミ。動物にはその体の大きさによって動きがあるというものです。そして、その動きの量に反比例するかのごとくゾウやカメは寿命が長く、ネズミは寿命が短いということです。
 何が言いたいのかというと、バスケにもこのことがいえると私は考えています。つまり、ガードにはガードの時間、センターにはセンターの時間があるのです。ゲームの中でこれら二つの動きをかみ合わせるのは大変です。ガードは自分の考えでパスをしますし、センターにはパスをもらいたいタイミングがあるからです。ゲームを支配するのはガードですが、センターとよく話し合って意思の疎通をはかることが大切です。ちなみにこの『ゾウの時間ネズミの時間』は難しい本ですが、同名で絵本もあります。図書館に置いてあるのでのぞいてみてください。
 
 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 コーチのひとり言 φ( ´△` )/前号の続き…(2008/06/08) 

 異動先の高校でバスケ部に顔を出していた私は、なんとなくやりきれない気持ちでいました。そんなとき思いがけずハンドボール部の顧問から声が掛かったのです。「一度練習を見に来ないか?」そんな誘いでしたが私は中学のときにやっていただけで自信もなかったので、なんとなくはぐらかしていました。ところが今日は校外で練習するから絶対に来てくれと言われ、どこで練習するのかと多少ミステリーっぽい感じにも誘われて、もらった地図を頼りに車で行ってみました。すると大きな工場のゲートの前にたどり着きました。守衛室のガードマンに事情を話すと「ああ、どうぞどうぞ」と中に案内されました。

 そのときぱっと見た会社名に私は目を疑いました。その工場は「大崎電気」という会社の工場だったのです。そうです。今回無念にもオリンピック出場を逃した日本チームのエース宮崎大輔が所属する会社です。もちろん20年近くも前の話しですから宮崎選手はいないのですが、大崎電気は日本リーグ、特に女子チームが常に優勝争いに顔を出していた強豪チームなのです。 

 次号に続く…。 

 

コーチのひとり言 φ( ´△` )(2008/07/23)

  13日の夜練で信じられないことがありました。そんな話なんにも言ってないのに「今日の夜練なし」という情報が男子の方に流れていたのです。いきさつはわかりませんが、最後なので食事会をして労をねぎらおうということになったそうなのです。やることはいい事です。しかし、コーチ・監督に連絡もなく、しかも「練習なし」が回っているのはどういうことでしょう。

 先日、大雨洪水警報で練習を急きょ中止にしたときも、私たちコーチとその日の監督で話し合って決めました。子どもの自主性を重んじるのは私も賛成です。しかし、コーチを無視して好き勝手やるのはどういうことでしょう。こんなチームでは勝てるはずがありません。意識を変えてもらいたい。お願いします。 

 

コーチのひとり言 φ( ´△` )(2008/11/19)

  全員参加で夜練を盛り上げていこうと*1誓って半年、スパーズ中等部はもろくも崩壊しました。しょせん私一人で気合を入れたところで「笛吹けど踊らず」。表向きには「自分たちで練習をしたい」とのことでしたがその実はどうでしょうか。こちらがすべてお膳立てして環境も整えているのに解かってくれる人があまりにも少ない。「一方聞いて沙汰するな」 これは大河ドラマ『篤姫』の宮崎あおいさんの言葉です。親はどうしてこうも子どもが言っていることを鵜呑みにしてしまうのでしょう。特に男子にその傾向があると聞きます。

 いったい中学の部活とは何なのでしょうか。学校から外部コーチの依頼があった時「子供たちの思いを大切にしたい」と言われました。要するに子どもたちのやりたいようにやらせたいという考えが学校にあるのです。これは部活のみならず他の活動を見ても私にはそう印象を受けます。確かにそれまでの学校教育が画一化し、押し付けと強制があったことは確かです。それによって様々な問題も発生しました。しかし、ここまでの“自主性”は必要なのか。これは本当に自主性なのでしょうか?

 話が大きくなりますが、今また不景気だと言われ、ますます厳しい社会情勢になろうとしています。これからもっと“勝ち組負け組み”が言われるようになるでしょう。そんな中でこの子たち(ほんの一部の生徒です)が社会に出て好き勝手できると思ったら大間違いです。誰かが秩序を教えないとかわいそうなのは本人なのです。挙句の果てに夜練まで崩壊の一途をたどりました。今までやってきたことはいったいなんだったのか。がっくりです。

 「転ばぬ先の杖」を親がやってしまう現在、自主性は必要かもしれないし大切さもわかります。しかし、「自律」が伴ってない自主性ほどあいまいで危険が伴うということを付け加えておきます。もはや、このひとり言を読んで下さるのは小学生の親御さんのみになっています。言葉が過ぎている点を十分お詫びします。中等部生は2年生女子4人のみとなりました。

水曜日の夜に練習日を移して、これからもがんばり続けます。

*1誓ったのは気のせいだった可能性があります。                

 

コーチのひとり言 φ( ´△` )(2008/12/10)

 今回の新人戦で二つの言葉が頭をよぎりました。ひとつは、「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」。これは楽天イーグルスの野村克也監督の言葉ですが、今回戦ってほんとにそうだなと感じました。多賀との第3戦、またダメかなと思われたこの試合、終わってみれば勝ってました。それに対し、1、2戦目は負けるべくして負けた。そんな感じでした。子どもたちにはこう話しました。「みんなは下手なんじゃない。練習をしていないだけだ」

他チームは週に2回、3回厳しい練習をしてやって来ています。私たちは楽しさを目的に頑張ってきましたからおのずからそこにギャップが出てきます。これは致し方ないです。でも、もっと頑張って勝ちたいと思う子が何人か出てきて、みんなを引っ張っていこうとしています。親御さんの中には「そこまでして…」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、子どもたちは今やる気になっています。ぜひ応援してあげてください。

もう一つ、「ゲームのABC」です。私の持論ですが、試合のときにはA…アスリート(選手)、B…ベンチプレーヤー、C…コーチが常に信頼関係で結ばれてなくてはならないという考えです。この三角形が崩れるとなかなか試合には勝てないでしょう。バスケはそんなたやすいスポーツではありません。そのことを子どもたちに聞くと(Aはな〜んだ、Bな〜んだ?という風に)勘のいい子は答えられます。そういう意識があるのかもしれません。そして今回、Cのところにもう一つ必要なんだなと実感しました。それはチアー(Cheer)応援の意味です。

各チームとも“父母の会”があってチームに帯同して応援や子供の体調管理、雑用などを行います。そのことでコーチは指導とオフィシャル業務に集中することができます。うちのチームははじめから「親なしチーム」として育て上げたため、自分たちで何でもできるようにしてあります。その点は良いことだなと思っています。もっと強くなったら自分たちから「試合に来てね」と言うようになるでしょう。そうしたらみなさん来てあげてください。親の応援ほど心強いものはありませんから…。

 

ひさびさに…コーチのひとり言 φ( ´△` )(2009/04/22) 

先日、昔の教え子から手紙がきました。女子校で教えていた時の中学のバスケ部のキャプテンです。中高一貫だったため、高校生と練習を一緒にします。どうしても高校生が中心になる中、頑張っていたので、試合を組んでは連れていきました。私も若かったですから今より数段厳しかったです。異動の時、送別にサボテンの鉢植えをくれたことは、今でも苦々しい思い出として残っています。

その後、彼女はペンションのバイトにも来てくれたりしていろいろと面倒を見てきましたが、大学を中退したいと言い張り私と対立しました。そして、十数年ぶりに便りをよこしたかと思えば、その後の彼女の荒れた人生がつづられていました。それでも救いなのは、落ち着いてご主人と子供が一人いてまあまあ円満に暮らしていることです。

その場その場で指導して言うことを聞いてくれる子はどれぐらいいるでしょうか。自分にも相手にも素直になれない子は後悔して自分を知ることができると思っています。人はみな多かれ少なかれ後悔を背負ってますよね。子どもに後悔させないように指導していきたい。と私は思っています。

  

コーチのひとり言 φ( ´△` )(2008/06/17)

 春先に私が執筆・編集に協力した『知っておきたい地獄・冥界・異界と天国』が西東社さんから発刊されました。私は「冥界」のパートを担当しましたが、いま死後の世界が話題になっているようで、おもにゲームに出てくるキャラクターや場面設定などを、古典を通してもっと詳しく知りたいという人が2030代の男性で多いということで、需要があるようです。

  

コーチのひとり言 φ( ´△` )(2009/07/22)

 最近、連絡もなく休む子が増えてきています。水曜日の練習では長期休んでいる子が4年生に一人、6年生に一人います。4年の子はバッシュも買ってはりきってましたが、はじめこそ顔を出したものの、5月以降一度も来なくなりました。スパーズでは「ホウレンソウ」の約束があります。これは、「報告・連絡・相談」のことです。4年のキャプテンを通じて何度も「お話しましょう」と言ってきましたが、ずっと姿を見せないでいました。それが、この間の練習にひょっこり顔を出しました。私と松井コーチが話をしていくと涙目になって大粒の涙をこぼしていました。

「ホウレンソウ」は社会の常識でも、大人ですらきちっとできるのは難しいかもしれません。しかし、繰り返し言っているようにバスケットボールはそんな生易しいスポーツではありません。私は子どもが持つヤル気をうまくバスケに向けさせたいなと思っています。「練習がきつい」「めんどくさい」などいろいろと言う子も出てくるかもしれませんが、親御さんにお願いしたいことがあります。それは「いやならやめなさい」と言わないでほしいのです。川が高い方から低い方に流れるように、誰だって楽な方を選択したがります。子どもなら尚更です。しかし、鬼の心で子どもにはっぱを掛けてください。ケガで練習ができなくても見学ができれば来させてください。何かできる練習があるはずです。

20日のアスリートの練習では6人しか集まりませんでした。6人ではたいした練習はできません。3連休ということで出掛けられた家庭もあったことでしょう。コーチの都合で組んでいますからなかなか全員集まることができないのも承知しています。しかし、どっかの政党じゃありませんが、「一致団結」しなければなかなか勝利に結びつけることはできません。休まないでいつも来ている子のことを、ちょっと考えてもらえればうれしいです。いずれにしても、休む時は必ずキャプテンに連絡してもらいますようお願いします。

 

コーチのひとり言 φ( ´△` )/(2009/10/20)

奈良本の祭典も盛況のうちに終わり、向町の中若だった私もなんだか脱力感です。祭までの約一ヶ月半の間、しゃぎりの指導や売店の係など、子供会・育成会の皆さんのご苦労は大変なものでした。そんな中、本番を迎え舞台にずらっと並んだ子どもたちの姿を見ると、「ずいぶん少なくなったなぁ」と感じます。

先日お世話になった修小キティーズは、修善寺小学校を母体にしています。ご存知のように、修善寺町は天城湯ヶ島町、中伊豆町、土肥町と合併し伊豆市になりました。伊豆市教育委員会では、平成25年度までに市内の小学校を12校から4校に再編すると発表したようで、学校再編が進むようです。その中でも修善寺地区は、現在ある4校を一挙に1校にまとめてしまうようです。東伊豆町ではこうした大胆な統合の話は聞かれませんが、子どもの数が少なくなっているのは実感としてあります。

さらにスポーツが多様化する中で、各クラブでは子どもの取り合いをしている感もあります。厳しくすれば子どもは離れるし、時に非情にならないと“勝ち”は見えてこない。キティーズの監督さんが言ってました。「ミニバスのクラブチームは、子供会から発展してできたチームがほとんどですが、クラブチームは義務ではなく、ミニバスをやりたい子供が入団して成り立っているという認識が必要だと思います、やるからには上手くなりたい、試合に勝ちたいと子供たち自身が思わなければ強くなりません。毎年、試行錯誤を繰り返しながら、そのタイミングを待つ忍耐が必要となります。熱川さんもそのタイミングは、そう遠い未来のことではないような気がします。」

試合を重ねるにつれ、それは私も感じつつあります。連盟一年目の彼女たちが、その戦いの中で得るものは計り知れないと思います。先々の人生にこの経験はきっと生かされることでしょう。

 

コーチのひとり言 φ( ´△` )/(2011/1/16)

 スポーツ店がなくなったことの意味(1/23付伊豆新聞に載った記事の原本です) 

「ちょっと、知ってる?」この町にとって、聞き捨てならないニュースが私の耳に飛び込んだのは妻からだった。それも稲高ゴルフ部に所属する娘からの情報だった。

「“Mスポーツ”が閉店した」こんなことがあっていいのか。私は常々、どんな小さな町にもスポーツ店が一軒はなくてはならないと思っていたが、それがなくなったのだ。

大した注文をしていた訳でもなく、それでもミニバスチームのシューズは注文していたしボールなどの備品もお願いしていた。俳句大会の盾なども頼んでいた。その他にも細々したものも時たまお願いすることがあった。無理なお願いも快く聞いてくれた。それをこれからどうするのか考えるとけっこう辛いものがある。

大型店の品揃えの豊富さ、それに最近ではインターネットでどんなものでも購入できる。しかも、実店舗で営業していない分、商品の価格が安い。家に居ながらにして注文できる便利さで、後ろめたい気持ちはあってもついついパソコンの前に座ってしまう。

学校では毎年の体操着などの注文はあるだろうが、部活で使うものなど、やはり町外で購入していることも多いと思う。緩衝地帯と思われていた田舎町にも、不景気だけはきちっと津波のように押し寄せ、地域社会を壊していく。見えない相手との競争が、商売の世界の常識になってきて、これまで以上の営業努力が欠かせなくなってくる。使命感だけではどうにもならない時代に突入してきている。

地方が誇れ、地方が興じ熱中できるスポーツの拠点がなくなったことが残念でならない。しかし一方で、この町の商店も“攻めの姿勢”でネットビジネスに取り組む時期に来ているのかもしれない。

 

 

 

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